水産物加工・販売を手掛ける宇和島プロジェクト(愛媛県宇和島市、木和田権一社長)は14日までに、イスラム教徒の戒律に沿っていると認められた「ハラル認証」を取得した。イスラム教徒の多い東南アジアや中東への輸出拡大につなげるほか、2020年東京五輪に向けて国内の販路拡大も図る。
 今回の対象は、養殖クロマグロと県の新養殖魚種「スマ」、調理する加工施設の3点。基準が厳しく、他国でも通用するとされるマレーシア政府認証機関の公認で、宇和島プロジェクトによると、養殖魚の認証取得は国内初。
 県の県産水産物輸出拡大事業の一環で、同社は14年から認証申請の準備を開始。餌に豚肉などを含んでいないことが条件で、加工も別ラインで作業する必要があったが、養殖会社キョクヨーマリン愛媛(愛南町)などの協力も得て、5月27日に取得した。
 宇和島プロジェクトでは現在、中国やシンガポールなど輸出分が売り上げ全体の約1割を占める。木和田社長は「認証取得を足掛かりに富裕層の多いドバイを中心に売り込み、海外販売を3分の1まで伸ばしたい」と話している。